落ち着いた明るいグレーの外観と、広く確保した大きな駐車場。通りから家のなかが見えないよう、奥へとひときわ懐深く造られた玄関ポーチは自転車なども置くこともでき、木目の天井がやわらかな表情を添えています。
玄関扉は奥さまこだわりの引き戸。買い物帰りの大荷物でも片手で広く開けることができ、中へ入ればニッチを作りつけた垂れ壁と、その奥に家族玄関を兼ねた土間収納を設けています。
玄関左手の廊下を進むと、オフブラックの建具に全面の透明ガラスを入れたシックな引き戸。木のぬくもりを感じさせるLDKは20畳を超える広々とした空間で、天井や壁面の各所に間接照明が配され、それらが創り出す陰影がリビング、ダイニング、キッチンの3つの空間をさりげなく区切っています。
住宅性能を重視するご主人が選んだのは、空気を循環させる24時間全熱交換型換気システムを導入した「ECOSの家」。玄関を入った瞬間から家がまるごと夏は涼しく、冬は暖か。ランニングコストを視野に、高い機能や太陽光発電などを採用し、快適な住まいとより豊かな暮らしを実現しています。
ダイニングキッチンでは一面のチャコールグレーがひときわ目を引き、キッチン上部にだけ配した木目の天井と無垢材の造作棚が、モダンななかにナチュラルな趣きを演出。システムキッチンの黒くフラットな天盤や、棚に整然と並べられた同色の家電が、リビングからの眺めに心地よい調和を届けています。
シンクの手元にはあえて目隠しの壁を設けず、「キッチンに余計なものを置かずに、すっきり見せたい」というのは奥様の希望。必要なものはすべてキッチンの背面や造作棚など大容量の収納に片付けることができ、まだまだスペースは余っているとか。LDKにはファミリークローゼットがあり、家族3人分の洋服やかばんもすべてここに収納しています。
家族一緒の時間を大切にしたいという思いから、シンクと横並びに大きなテーブルを置いたのはご夫婦そろってのこだわり。当初はその奥にパントリーを設けるつもりでしたが、設計担当者からの提案でぐるりと一周できる配置にし、さらにはキッチンと洗面所、ランドリー、玄関は最短距離でつなげられ、家事動線が効率化されているのもお気に入りの点とか。 ランドリーの天井には調湿パネルが張られていて、室内干しにも対応。肌着やタオルはこちらの収納にまとめることで、共働きの家事を軽減してくれます。
2階の主寝室には大きなウォークインクローゼットがあるほか、廊下側にも引き戸式の納戸があり、収納スペースは十分すぎるほど。ほかに2つの子ども部屋があり、娘さんの要望でクローゼット内は鮮やかなピンクで飾られています。
階段の吹き抜け上部にはエアコンを設置し、これ一台で家じゅうの温度管理ができているのだとか。限られた敷地と予算のなかで、のびのびと過ごせる大空間と大収納、そして高性能の住環境を実現できたのは、住み手とつくり手が思いを一つに二人三脚で家づくりに取り組んだ成果と言えそうです。